シート

2人乗りの注意点

タンデムシートに人を乗せる時の加速、減速、コーナーリング

道路交通法では、51cc以上のバイクから二人乗りをすることが認められています。
免許を取得してから1年以上経過していることが条件となりますが、一般公道で二人乗りができるようになりますので親しい人を後ろに乗せてツーリングをしたくなるライダーも多いことと思います。

しかしバイクの2人乗りは一人だけで乗っている時と違って重心の場所が代わり、カーブや横風があったときのバランスのとり方が大きく異なってきます。
自動車の助手席や後部座席に乗せるのとは異なり、タンデムシートに乗っている人も運転手であるライダーとタイミングを合わせて身体のバランスを移動させないといけなくなりますのでまずは搭乗前にしっかりその点は確認をしておいた方がよいでしょう。

まずタンデムシートに人がいる場合に起こる変化として、加速時の圧力があります。
バイクを運転している側にとっては、自分で操作をしているわけなのでいつ発進するかがわかりますが後部座席にいる人は合図がないとわかりません。
そのためぼんやりしているときに急発進をすると身体がついていかず、後方に投げ出されてしまうこともあります。

同じく減速をするときも急ブレーキをかけてしまうと今度は反対に前方に向かって衝撃がかかるので、運転手に頭をぶつけてしまったり、その衝撃で運転手が前のめりになってしまいます。

山道などの急なコーナリングでは、バイクの運転に慣れたライダーは自然にバイクの重心をコントロールしますが、免許のない人が後部座席にいると急に傾くバイクに怖くなってしまい反対側に重心を向けてしまうことがあります。

パッセンジャー(同乗者)を乗せるときの注意点

タンデムシートにパッセンジャー(同乗者)を乗せる時には、運転手と自然に行動を一緒にできるようにしていくことが大切です。

ただ乗せられるままになっているのではなく、運転手がどういった動作をするかを考えてそれに合わせて自分もバランスをとっていくということが求められてきます。

逆に言うとタンデム走行をするということは、運転手と同乗者の二人できちんとコミュニケーションをとりお互いを信頼することが必要になるということです。

初めてタンデム走行をする人を乗せる場合には、運転手側できちんと気を遣い「これから発進するよ」「カーブの時は一緒に身体を傾けて」といったように言葉をかけてあげるとよいでしょう。

一緒にツーリングに行くのであれば、B+COMなどのマイクを使用して走行中に会話ができるようにしておくというのも一つの方法です。

同乗者は走行中重心が分散しないようにしっかり運転手の身体にしがみつか、もしくはバイクについているレバーなどをしっかり握っておくようにしましょう。