排気量が中途半端なのは何故
バイクの排気量が中途半端な数字になっている理由とは?
バイクのカタログを見ると、399ccとか249ccという排気量データ記載されていることがほとんどで、400ccや250ccといったキリの良い数字になっていることはほぼありません。
しかし、バイクのモデル表示では「○○-400」とか「○○250」といった感じで、キリの良い数字で名前を付けています。
どうせならモデル名にあるように、ぴったり揃った数字にしてくれた方が良い気がします。
これには理由があり、まず少なくても日本では排気量によって税金や、必要なバイク免許の種類が変わってくるという事情が関係しているからです。
たとえば、250cc以上の排気量になると税金はぐっと上がりますし、車検も必要となります。
そのため、バイクメーカーはこの区分に合わせて排気量を変えてモデルを作っているわけです。
そこで、絶対にその区分を超さないように、ぴったりの数字の排気量ではなく少し小さめの数字で調整しているのです。
そして、こうした調整をしないといけない理由として、排気量を100パーセント正確に合わせて製造するのは難しいという事実があります。
加工をしているプロセスで、どうしても小さな誤差出てしまって区分基準を超えてしまうと大変ですので、マージンを残しているのです。
また、そもそもキリの良い数字で排気量を合わせるのは無理があるという事情も存在します。
排気量というのは、ピストンの半径の二乗に円周率、そしてピストンの移動量であるストロークをかけることで計算できます。
この式だと、絶対に小数点以下が出てしまうため、250といった数字にすることはできないのです。
そのため、250よりも少ない249ccとした方が良いということになります。
区分がない大型車両も中途半端な理由とは?
このように中途半端な排気量となっているのは、税金や免許の区分が根本にあるというのは分かりますが、どうして大型バイクも中途半端な数字なのでしょうか。
400cc以上であれば、大型という区分しかなくなり、特にどこかの基準となる数字に合わせる必要はありません。
結論から言うと、メーカーがその排気量が良いと考えたので中途半端な数字となっているのです。
バイクを設計する際には、パワーバランスを慎重に考えて、重量と空力、足回りなどと排気量の配分を検討します。
その上で、最もバランスの取れた排気量を選んでいるわけです。
別の言い方をすると、最初に「○○cc」にしましょう、と考えてエンジンを設計しているわけではありません。
もちろん、排気量の目安は決めますが、キリの良い数字でまとめる必要がなく、すべてのパーツの設計とボディーバランスを決めることで最終的に出てくる数字を採用しているのです。