ギアが摩耗して起こるギア抜けとは

ギア抜けするとどうなる?

バイクのギアは、それぞれのシフトの間にニュートラルが存在しています。
この形にしないと、たとえば2速と3速のギアが同時に入ってしまうなど、エンジンが回った状態で2つのギアが重なってしまいます。
そうなると動作に異常が生じて駆動系に故障をもたらしたり、最悪の場合事故につながったりします。

しかし、何らかの原因でギアを切ってニュートラルになっている状態でも、エンジンがさらに回ってしまうことがあります。
これがギア抜けと呼ばれるもので、しっかりとギアが入っていないのにエンジンが回転してしまうという症状が見られます。

ギア抜けが起こる原因とは?

このギア抜けは大きく分けると2つの原因が考えられます。
1つ目の理由はシンプルで、ライダーの操作ミスと言えるものです。
具体的には、クラッチをかけてギアを抜いた後、シフトが次にしっかりと入っていないのにクラッチをつないでしまうことで起こります。
こうなるとシフトがかかっていないのにエンジンが回ることになります。

同じように、フットシフトの操作がうまくできていないことが原因となることもあります。
足でレバーを上げる動作をしきれずに、シフトが入っていないのにクラッチがつながり、結果としてギア抜けになるわけです。
こうした操作ミスによるギア抜けは、当然のことながらミスが生じた時だけ起こります。

そのため、きちんと操作できた時には起こりませんので、自分でミスをしたなと気付けます。
この場合はバイク自体の問題ではありません。

一方で、クラッチもシフト操作も確実にしているはずなのにギア抜けが起こる、常にギア抜けが起きているというケースでは、バイク自体のトラブルを疑うべきです。
いずれかのパースに摩耗や破損といったものが起こっているのですが、ギア抜けを引き起こすパーツはたくさんあるので、一つずつチェックしていく必要があります。
たとえば、ギア溝やシフトドラム、ドライブシャフト、ギアドッグ、シフトフォークなどです。
シフトペダルの動きも悪いとか、クラッチの抜けが悪いなど、ギア抜け自体とは別の症状も出ていないかをチェックして、関連するパーツを一つずつ洗い出していくことで原因究明ができます。

ギア抜けが起こったら?ギア抜けを防ぐ方法

操作ミスによるギア抜けであれば、焦らずにクラッチやペダル操作をすることや、連続する坂道などではあまりエンジンブレーキばかりを使わないといったことで防止できます。
一方のパーツのトラブルによるギア抜けであれば、まずはどのパーツがダメになっているかを確かめるべきです。

そして、そのパーツを交換することことになります。
ミッション自体がダメになっている場合、作業の手間と費用が大きくなりますので慎重にチェックしましょう。